『黄昏のシンセミア』をプレイした感想

昨年の秋頃にプレイした『黄昏のシンセミア』の感想を,だいぶ時間が空きましたが書いておきます.

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世界観とストーリーについて

この作品の舞台は,御奈神村という山間部の小さな村です.東京で民俗学を学ぶ大学生の主人公は,夏休みの間,御奈神村の叔母の家に滞在し,お祭りや家の手伝いをしながら,幼い頃亡くした母親の遺志,周囲で起こる怪物騒動の真相,村に伝わる伝承の謎を追究していきます.

田舎・夏・伝奇モノという設定ですが,作品の雰囲気はそこまで和風で懐古的というわけでもなく,携帯電話もインターネットもあり,駅前に行けばショッピングセンターもゲームセンターもラブホテルもあり,けれども村の周りには山や川,田んぼが広がり,町並みは昔の様子をそのまま残しているという,現代的でリアルな田舎の雰囲気が描写されています.

シナリオは,面白さと萌えのバランスがよく,中だるみや陰鬱な展開なくテンポ良く進んでいきます.感動できるかどうかについて,これは人それぞれだとは思いますが,私がプレイした感想としてはそこまで感動的だったというわけではなく,この作品はどちらかというと感動よりも,プレイする楽しさや面白さに重点が置かれていると思いました.

ちなみに,私はこのゲームをプレイする前,田舎・夏・伝奇モノと聞いて『ひぐらしのなく頃に』のようなものを想像していたのですが,あの作品のように奇怪で凄惨な描写はありません.

キャラクターについて

皆神さくや
本作のメイン中のメインヒロインです.主人公の実妹ですが,いわゆる「妹キャラ」とはだいぶ違った雰囲気で,主人公にとって,友達のような仲間のような相方のような,独特なキャラです.「妹キャラ」ではありませんが,これこそまさしく血の繋がった「妹」という印象です.
岩永翔子
主人公のいとこで,主人公のことはお兄ちゃんと呼びます.あまり二次元の妹らしくなかったさくやに対して,こちらは完全な妹キャラです.ジャコスとお兄ちゃんが大好き.ジャコス行きたい!夏野こおりさんの演じるかわいらしい妹キャラが全国のお兄ちゃんをめろめろにします.
春日いろは
主人公の幼なじみ.神社の娘.元気系.
銀子
天然系.お姉さん.おっぱいおおきい.セクハラ発言で主人公をからかってくるのにえっちなことに関しては知識が浅く,その話題になると顔を真っ赤にして恥ずかしがる銀子さんかわいい.巨乳ではしたなくのびたスク水姿がえろすぎる.

この作品は,これら4人のメインヒロインに加え,3人のサブヒロインが攻略可能です.サブヒロインのルートは短めで,物語の主幹にはあまり関わりませんが,キャラクターそれぞれの個性,境遇,想いがしっかりと描写されていて,中身のあるシナリオになっています.

音楽について

この作品のBGMは,全体的に生楽器中心の,きれいな雰囲気の曲が多いです.単独で何度も聴きたくなる曲というのは私は特にありませんでしたが,ストーリーとの相性はとてもよく,BGMとしてゲームを効果的に盛り上げていると感じました.

オープニングのテーマ曲は『夏のファンタジア』です.私がこの曲がとても好きで,このゲームに興味を持ったきっかけも,この曲(オープニング映像)でした.

ゲーム中にはこれに加えて挿入歌とエンディングテーマがあります.

絵について

見ての通り.特に絵が破綻しているとか,量が少ないということはなかったので,公式サイトのCGをみて気に入ったのなら安心してプレイしていいと思います.

システムについて

このゲームは,通常のセーブやロードに加え,既読の場面へはフローチャートからいつでもジャンプできる機能があります.フローチャートにはコメントを書き込むこともできるので,攻略や回想に大変便利です.

また,フローチャートには,本筋と直接繋がっていない「フラグメント」というものがあちこちにあり,フローチャートのある地点を通過するとこれが現れ,選択してプレイできるようになります.内容は,おまけシナリオや補足シナリオのようなものが中心ですが,ほかのゲームでよくあるようなタイトル画面から選択するようなシステムとは違い,本編の時系列上に現れるため,本筋のストーリーとの関係がわかりやすいです.

これらのフローチャートやフラグメントは,ただユーザーに便利な機能であるだけでなく,ストーリーも,この機能があるからこそのものになっていたと思います.

その他の基本的なシステムは,特に不足している機能もなく,快適にプレイできました.

あと,初回版ではインストール時か初回起動時にインターネット認証を要求されると思いますが,有効期間が終了して現在では認証できなくなっているので,公式サイトからパッチをダウンロードして適用する必要があります.

Hシーンについて

  • シナリオに直接関係のない部分で,ほんの少しだけ陵辱あり.陵辱は絶対に嫌だ,ディスク叩き割る,という人はご注意.
  • いくら登場人物は全員18歳以上とはいえ,こんな幼い子供としちゃっていいのだろうか.
  • 銀子さんの腋こき……ふぅ……

総合的に

シナリオは面白く,プレイ中も楽しく,飽きず,萌えもあり,バランスのとれたよいゲームだったと思います.絵や音楽やシナリオにもし惹かれたなら,プレイして損はないと思います.

現在は,『黄昏のシンセミア』を含むあっぷりけ製品3作が収録された『あっぷりけコレクション』が発売されているので,初回特典の冊子などがいらないならそちらを買うといいと思います.


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コメント

| 2018/02/26 09:58 PM

岩永翔子 巨乳

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