『神聖にして侵すべからず』をプレイした感想

PULLTOPの『神聖にして侵すべからず』をプレイした感想です.シナリオに関する大きなネタバレはたぶんありません.ゲームの全体の雰囲気などに関する感想が中心です.感想というよりひたすら褒めるだけの文章です.

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プレイしたきっかけ

この作品のヒロイン,実蒔希ちゃん(CV井村屋ほのかさん)の声に惹かれて数年前に買ったのですが,そのままずっと積んでいて,最近になってなんとなくやりたくなったのでプレイしました.

プレイしてみると大当たりで,この作品を何年も積んでいたことを後悔しました.いままでにプレイした美少女ゲームの中で一番好きな作品です.クリア後も何度も繰り返しプレイしています.

第一印象

とにかくBGMがよいです.体験版をダウンロードしてきて,ゲームを開始して,一番最初に流れるBGMで,あ,このゲームは買わなきゃいけない,と思いました.

それから絵がかわいいです.成人向けゲームとは思えないかわいらしい絵柄です.それでいてHシーンはきちんとエロいので安心です.

シナリオは全体的に明るく楽しい雰囲気で,かつ退屈さもなく,さくさく進められます.

OPムービーも美しく,60fpsで制作されているので滑らかに動きます.テーマソングも素晴らしいです.

あらすじと設定

主人公と,学園の友達たち(ヒロイン4人+男サブキャラ1人)で仲良く毎日を過ごしているうちに,だんだん主人公とヒロインが惹かれ合って……という話です.

公式サイトでは,王国という設定が強調されていますが,メインヒロインのルート以外ではあまり関係ありません.メインヒロインと主人公は女王と臣下という関係ですが,それは形式上のもので,実際には家族のような関係です.堅苦しくなくてよいです.

テキストについて

しっかりとしたストーリーがありながらも,暗さや重さはほぼありません.

共通シナリオは短く,早い段階で分岐して個別ルートに入っていきます.共通が短い分,個別ルートはしっかりとボリュームがあり,日常シーンや登場人物たちの心情,主人公とヒロインが惹かれ合っていく過程が丁寧に描かれています.

登場人物たちの掛け合いが面白く,また,個別ルートに入ったからといって,そのヒロインだけしか登場しなくなる,ということもないので,全体を通して賑やかで楽しい雰囲気です.

世界観について

舞台は現代の東京の,都心からちょっと離れたあたりだと思います.海や山があるわけでもない,普通の街です.王国という特徴的な設定にもかかわらず,ファンタジーっぽさは全くなく,現代の日本を舞台とする,かなり現実的なストーリーです.ヒロインは全員学園生ですが,いわゆる学園モノというわけではなく,学園に限らず街を舞台に話が進んでいきます.

ファンタジー要素はほとんどなく,平凡な世界観ですが,テキスト・CG・BGM・背景の品質の高さや演出の丁寧さもあり,作品の舞台に引き込まれるような,作品の舞台を訪れてみたいと思わせられるような魅力を感じました.

キャラクターについて

主人公もヒロインもサブキャラクターも,たいへん魅力的です.普段私が美少女ゲームをプレイすると,だいたい各作品1人か2人くらいお気に入りのヒロインがいて,他のヒロインはまあまあ,ということがほとんどなのですが,この作品はどのヒロインもお気に入りです.サブキャラの生徒会長も攻略したかった.

キャラデザや性格などの設定が魅力的というのはもちろんですが,テキストでキャラクターを魅力的に描くのが上手いと感じました.個別ルートが長いこともあり,主人公とヒロインがだんだんと惹かれあっていって,恋人同士になり,その先へいくまで,キャラクターの仕草や心情が丁寧に描かれています.

BGMについて

アコースティックなものが中心で,特にピアノがメインの曲が多いです.どのBGMもたいへんきれいで,BGM単体で聴いても十分な質があります.初回版(まだ新品で購入可能)にはサウンドトラックCDも附属していて,そちらも音質がよいです.

声について

声の好みは人それぞれですが,この作品は,音響監督というのでしょうか,演技を指示する人がうまいのか,元のテキストがうまいのか,各キャラクターの声がとてもいきいきとしていて個性的に感じられました.

それから,この作品はモブキャラを含む全ての台詞に声が付いています.こういうところで妥協がないのは嬉しいです.

CGについて

成人向けゲームとは思えない,かわいらしい絵柄です.Hシーンではギャップを感じるかもしれませんが,逆にそれがよかったです.

立ち絵は表情が豊富で,スクリプトや演出のうまさもあり,キャラクターの個性や魅力がよく表れています.操ちゃんのジト目の表情がかわいい.

それからこの作品はなんといってもイベントCGの背景,特に彩色が美しいです.写実的なリアルさではなく,印象や感性に訴えかけるような,鮮やかで独特な彩色がされていて,場面の雰囲気や感動を引き立てています.

Hシーンについて

各ヒロイン2回ですが,1回あたりのCG数は多いです.ヒロインや主人公の心情や初々しさが丁寧に描かれています.

Hシーンに限りませんが,この作品は匂いに関する描写が多いと感じました.とてもよいと思います.

自慰シーンなし.テキストに陰毛の描写があるがCGに陰毛はなし.陰毛オプションの実装が期待されます.

全体的な感想

この作品をプレイするまで私は,面白い作品にシリアスで重いシナリオは避けられないものだと思っていました.しかしこの作品は,面白いけども,雰囲気は明るく,気楽にプレイでき,いままでの考えを覆されました.

また,私はアニメや美少女ゲームにおいて,BGMや背景をかなり重視しているのですが,この作品はそれらの質が高く,たいへん満足でした.

その他思ったこと

  • 一般に,物語の中でシリアスなシーンというのはどんな作品にもありますが,この作品はそのようなシーンでも必要以上に雰囲気が暗くならないように,BGMや演出などで緊張感が緩和されており,改めて,美少女ゲームにおけるBGMの重要性を感じました.
  • 物語の中で,実在の場所や路線を思わせる名称が所々で登場します.東京の西の方かと思われます.美少女ゲームで聖地巡礼をしたいと思うことはあまりないのですが,この作品は世界観や背景CGが気に入ったので,そのうち聖地探しに行きたいです.
  • ヒロインごとに,クラシック音楽をアレンジした短いテーマ曲があり,章の変わり目で流れます.明るい曲調のものと暗い曲調のものの2種類が使い分けられていて,細かいところですが,これがあるのとないのでは,物語の印象がだいぶ変わる気がします.
  • 各ヒロインのテーマ曲について,晴華瑠波ちゃんはラヴェルのなき王女のためのパヴァーヌ,国友澪里ちゃんはサティのジムノペディ,実蒔希ちゃんはショパンの練習曲作品10-3,樫村操ちゃんはエルガーの愛の挨拶だと思います.共通部分での曲がなんなのかが分からなかったので気になります.

まとめ

  • 全体的に明るく楽しいストーリーで癒やされました.
  • 個別ルートが長く,存分にキャラ萌えできます.
  • 声,CG,BGMや演出が秀逸です.
  • 最高

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